HDD/SSDを3本使用する場合に選択できるRAID構成について、アクセス速度や耐障害性、使用できる容量を比較しています。アクセス速度はHDDとSSDのそれぞれを実測して比較しています。
ディスクが3本の場合、以下の3種類のRAID構成が利用可能です。
ディスク3本で構成できるRAID | |
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構成 | 概要 |
RAID0 「ストライピング」 | アクセスが速いが、耐障害性がない |
RAID1E 「分散ミラーリング」 | 耐障害性ががあるが、ディスク全容量の50%しか使用できない |
RAID5 「分散パリティ」 | 耐障害性のため1本分の容量が利用できないが、全体的にバランスが取れている |
アクセス速度は「RAID0」の方が速いのですが、耐障害性がありません。
SSDの方がアクセス速度がかなり早くなりますが高額となります。このため、バックアップやアクセス頻度が低い場合はHDDでアクセス頻度が高い場合はSSDがおすすめとなります。
DISK | 構成 | シーケンシャル(MB/S) | ランダム(MB/S) | ||
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READ | WRITE | READ | WRITE | ||
HDD | RAID0 | 476.2 | 446.4 | 20.37 | 6.14 |
RAID1E | 238.1 | 174.7 | 19.09 | 4.154 | |
RAID5 | 197.5 | 347.5 | 19.57 | 3.944 | |
SSD | RAID0 | 1597.0 | 1362.8 | 404.2 | 451.5 |
RAID1E | 996.5 | 664.3 | 392.9 | 238.8 | |
RAID5 | 1192.3 | 926.4 | 397.2 | 39.12 |
※アクセス速度の確認はハードウエアRAIDにデスクトップパソコンで使用するレベルのHDD/SSDを接続しています。このため、使用するHDD/SSD、RAIDコントローラーによっては結果が異なる場合があります。
ページTOP「RAID0」には耐障害性がありません。ディスクが壊れてもデータを保護したい場合は「RAID1」が必要となります。
構成 | 3本構成時の 耐障害本数 |
内容 |
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RAID0 | 0本 | RAID0は耐障害性がないため、1本のディスク障害でデータがロストします。 |
RAID1E | 1本 | RAID1Eは同じ内容を2か所に書き込む構成となっています。 このため、1本のディスク障害でもデータはロストしません。 |
RAID5 | 1本 | RAID5は1本のディスクにパリティ(誤り訂正補正)を書き込む仕組みとなっています。 このため、1本のディスク障害でもデータはロストしません。 |
「RAID0」は使用するディスクを無駄なく全容量利用することが出来ます。その他のRAID構成は耐障害性のため、100%の容量は使用することが出来ません。
構成 | 3本構成時の 実効容量 |
内容 |
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RAID0 | 100% | 「 1本のディスク容量 × ディスク本数 」 全ディスク容量が利用可能です |
RAID1E | 50% | 「 1本のディスク容量 × ディスク本数 × 50% 」 耐障害性のため、全ディスク容量の50%が利用できません |
RAID5 | 67% | 「 1本のディスク容量 × ( ディスク本数 - 1 ) 」 耐障害性のため、1本分の容量が利用できません |
※違うサイスのディスクでRAID構成している場合は、一番サイズの小さなディスク容量が利用されます。
ページTOP耐障害性や使用できる容量など全体バランスが取れたRAID5の利用が多くなっています。ただし、ランダムにファイルを書き込みのはRAID1Eの方が速く、用途によってはRAID1Eも選択対象となります。
構成 | 速度 | 耐障害性 | 容量 |
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RAID0 | 高速 | 無し | 100% |
RAID1E | 全体的に遅い。ただし、ランダムアクセスは速い | 1本のディスク障害まで対応 | 50% |
RAID5 | 全体的に速い。ただし、ランダム書き込みは遅い | 1本のディスク障害まで対応 | 67% |