NASは24時間365日電源が入ったままとなり、ハードディスクの使用時間も長くなります。このため、耐久性を高めたNAS用ハードディスクが存在します。
当ページでは、同一メーカー(Western Digital:ウエスタンデジタル社)のNAS用ハードディスクについて特徴をまとめています。また、各ハードディスクをNASに取り付けした状態で速度比較も行っています。
今回はWestern Digital(WD)のハードディスクを対象として、特徴をまとめています。
Seagate社でもNAS用ハードディスクを「IronWolf」シリーズとして発売しています。
NAS本体につきましては、以下でご確認ください。
Western Digital(WD)では、ハードディスクを色でシリーズ分けしています。
シリーズ色 | 特徴 |
---|---|
WD Blue |
スタンダード |
WD Black |
ハイパフォーマンス |
WD Red |
NAS用 |
WD Purple |
監視カメラ用 |
WD Gold |
エンタープライズ |
NAS用には「WD Red」「WD red Pro」シリーズが使用されますが、一般向け完成品NASの場合は「WD Blue」も多く利用されています。
NAS用ハードディスクは24時間365日常時稼働に向けて設計されたハードディスクです。温度発生対策や振動などにも対応しており、故障率下げています。
Western DigitalではNAS用には「WD Red」「WD red Pro」シリーズがあります。一般向け完成品NASでは「WD Blue」も多く利用されているため、比較対象としています。
今回比較で使用した「4TB」のスペック比較は以下となります。
スペック | WD Blue |
WD Red |
WD Red Pro |
---|---|---|---|
容量 | 4TB | 4TB | 4TB |
回転数(RPM) | 5,400 | 5,400 | 7,200 |
内部転送速度(MB/s) | 150 | 150 | 217 |
キャッシュ(MB) | 64 | 64 | 256 |
MTBF平均故障間隔(時間) | - | 1,000,000 | 1,000,000 |
ロード/アンロードサイクル | 300,000 | 600,000 | 600,000 |
ビット読み取りあたりの 回復不可能な読み取りエラー |
10/1014以下 | 10/1014以下 | 10/1015以下 |
保証期間 | 2年 | 3年 | 5年 |
温度(℃) | 0~60 | 0~65 | 5~60 |
消費電力(W):動作時 | 5.3 | 4.5 | 7.2 |
消費電力(W):アイドル時 | 3.4 | 3.3 | 3.7 |
「WD Red」は「WD Blue」の耐久性を強化したモデルです。「WD Red Pro」は「WD Red」の耐久性をさらに強化し、アクセス速度を向上したモデルです。
「WD Blue」はスタンダードモデルのため、24時間365日常時稼働を前提としていないモデルです。ただ、現在のハードディスクはスタンダードモデルでも故障率は低く、一般向け完成品NASでは「WD Blue」や他メーカーの同等クラスのHDDが多く利用されています。
NAS用ハードディスクのアクセス速度は、「ネットワーク(LAN)経由でのNASへのアクセス速度」と「ハードディスク単体のアクセス速度」の2種類を計測しています。
NASはネットワーク(LAN)経由で使用することが普通のため、「ネットワーク(LAN)経由でのNASへのアクセス速度」の方が参考になると思います。
NAS本体につきましては、以下でご確認ください。
LAN | 1000Mbps(1Gbps)環境 |
---|---|
パソコン | CPU : Intel Corei3-8350K 4.0GHz メモリ:16GB HDD:SSD 120GB |
NAS | Synology 「DS218+」 |
測定方法 | ネットワーク上のNASをドライブ割当てして「CrystalDiskMark」で測定 「CrystalDiskMark」はディスクの速度を測るツールのため、測定方法として正しくないかも知れません |
ネットワーク経由のため5回計測して一番速い結果を使用しています。
1000MbpsのLANのため、バイト換算で125MB/sがLANの最高速度となります。シーケンシャルアクセスは、LANの上限に近くなっておりこれ以上速度が出ないレベルまで達しています。(どんな高価なNASでもこの程度のアクセスが上限)
どのハードディスクも上限に近いため、差がないと考えられます。
ランダムアクセスは若干の違いが出ました。読み込みは「WD Red Pro」が速く、書き込みは「WD Blue」が速くなっています。
「WD Red」や「WD Red Pro」はNAS用に書き込みの機構が強化されているためと思われます。
今回は一般向け(家庭や小規模LAN)で使用するNASキットを使用しているため、「WD Red Pro」の性能を生かし切れていない可能性があります。
以下に各ハードディスク単体のアクセス速度を計測していますが「WD Red Pro」がすべてで高い性能となっています。
パソコン | CPU : Intel Corei3-8350K 4.0GHz メモリ:16GB HDD:SSD 120GB |
---|---|
測定方法 | パソコンのSATAに直接ハードディスクを接続して「CrystalDiskMark」で測定 |
「WD Red Pro」がすべてで、アクセス速度が速くなっています。
「WD Blue」と「WD Red」はほぼ同じアクセス速度となっており、違いは「WD Red」は耐久性を高めている点だと思われます。
今回、耐久性については確認が出来ていませんが、NASは24時間365日稼働するため、高耐久性のNAS用ハードディスクが望ましいと考えられます。このため「WD Red」または「WD Red Pro」のいずれかの選択となります。
「WD Red」と「WD Red Pro」はネットワーク経由のアクセス速度では大きな違いもなく、価格差なども考え使用用途により選択する必要があります。
「WD Red」がおすすめとなります。
家庭や小規模LAN(一般会社)で使用するクラスのNASでは、「WD Red Pro」の性能を出すことは難しく、価格面を考慮すると「WD Red」がおすすめです。
ディスク障害を極力抑えたい場合は、「WD Red Pro」の方が耐久性が高いためおすすめとなります。
「WD Red Pro」がおすすめとなります。
大規模LANでは、同時アクセス数などを考慮した高速NASが導入される傾向があります。高速NASを利用すると「WD Red Pro」の性能が発揮できます。
また、同時アクセスや高付加が続くことも想定され、「WD Red Pro」の方が耐久性でもおすすめとなります。
今回は「Western Digital」のNAS用ハードディスクを比較していますが、「Seagate」でも「IronWolf」シリーズとしてNAS用ハードディスクがあります。
メーカーによる機能差はありますが「IronWolf」≒「WD Red」、「IronWolf Pro」≒「WD Red Pro」となります。
NAS本体につきましては、以下でご確認ください。
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